健康のとびら

検査内容、検査用語について
 
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項目名 解説
ケトン体(尿中) 尿中のケトン体の有無を調べる検査です。

ケトン体とは、脂肪が分解されてエネルギー源として利用される際にできる、アセト酢酸・βーヒドロキシ酪酸・アセトンを総称したもので、脂肪分解時の中間代謝産物です。糖質が不足したり、糖質の代謝が障害されると、体内ではエネルギー源を糖質から脂質に変換します。そのため、脂質の代謝が盛んになります。体内の脂肪細胞に蓄えられた脂質(脂肪酸)は、肝臓に運ばれて処理されると、アセト酢酸に変換され、このアセト酢酸が変換されて、βーヒドロキシ酪酸・アセトンができて肝臓以外の各臓器でエネルギー源として利用されます。

しかし、脂肪から変換されたすべてのケトン体が利用されるわけではなく、一部は血中から腎臓を介して尿中に排泄されます。ケトン体は酸性物質ですので、尿中にケトン体が多く存在すると尿は酸性に傾きます。

通常の尿中にもケトン体は存在しますが、試験紙のように一般的なスクリーニングで用いられる定性法では検出できないほど僅かな量です。糖尿病でもうまくコントロールされていれば、ケトン体が通常時よりも多く尿中にでることはありません。

●糖尿病の方で、尿中にケトン体が出ている場合は要注意です。

●妊娠中のつわりによって食事が十分にとれなかったり、摂取しても、嘔吐してしまうことにより、エネルギー源としての炭水化物などの糖質が不十分となるため、体内の脂肪がエネルギー源となり、その結果ケトン体が通常時よりも多く尿中に出でて陽性を示すことがあります。

●ダイエットをする際に食事制限(絶食など)をすると、十分な糖質を得られず、体内は蓄えてあった脂肪をエネルギー源として用いるようになり、通常時よりも多くのケトン体が作られるため、尿中にケトン体が多くでて陽性を示すことがあります。

●運動によって糖質からのエネルギーだけではまかなえなくなると、脂肪をエネルギーにかえて使われるようになるため、尿中にケトン体が通常時よりも多くでて陽性を示すことがあります。

●嘔吐や下痢によって食事がとれなかったり、摂取しても十分に吸収ができないと、体内の脂肪を分解してエネルギーに変えるようになり、通常時よりも多くのケトン体が作られるため、ケトン体が尿中に多く出現して陽性を示すようになります。

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